ブルックスブラザーズのポロカラーシャツと、Polo Ralph Lauren。どちらにもPoloという言葉があり、アメリカの服を語るうえでよく出会う名前です。

さらに、若き日のラルフ・ローレンにはブルックスブラザーズで働いた経歴があります。二つのブランドは、どのようにつながり、同じPoloという言葉をどう使ってきたのでしょうか。

若き日の売り場で交わった二つの名前

TIMEが自社の過去の取材を振り返った記事によると、ローレンはブルックスブラザーズの販売員を経て、ネクタイ会社で働きました。その後、自分のネクタイ事業へ進んでいきます。出典:TIME「How Ralph Lauren Came Up With His Iconic Polo Brand」

勤務した事実は、二つの名前を結びつける具体的な接点です。ただし、それだけで後のデザインやブランド名のすべてをブルックスの影響と説明できるわけではありません。本人が何を作り、どのように語ってきたかも見ていきます。

Ralph LaurenのPoloは、ネクタイから始まった

ラルフ ローレンの公式年表は、1967年にPoloという名前のネックウェアラインを発売したと記しています。現在の印象からポロシャツを出発点に考えがちですが、始まりはネクタイでした。出典:ラルフ ローレン日本公式年表

同じ年表では、騎手を描いたポニーロゴが登場するのは1971年。最初に使われたのは、女性向けシャツの袖口でした。そしてポロシャツの発売は1972年です。ブランド名、ロゴ、代表的なシャツは、同時に生まれたものではありません。

ブルックスにとってのPoloは、襟の由来

ブルックスブラザーズの日本公式は、ボタンダウンシャツをポロカラーシャツと呼ぶ理由を、ポロ競技で見た襟先を留める工夫に結びつけています。ここでは、競技から取り入れた服の機能が、名前に残っています。出典:ブルックス日本公式「ポロカラーシャツ」

そのため、古いブルックスのシャツにPoloに関する表記があっても、Polo Ralph Laurenの商品という意味にはなりません。襟型を伝える名称なのか、ブランド名なのかを、タグ全体から読み分けます。

スポーツから、服を着る生活へ

ローレン自身は公式の回想で、少年時代にスポーツ選手へ憧れ、服を通じて夢の世界を思い描いた経験を語っています。ポニーロゴについても、スポーツとのつながりを持ちながら、競技の場でも日常でも着られるものにしたかったと説明しています。出典:Ralph Lauren本人による「Love of the Game」

この回想とそれぞれの製品史を合わせて読むと、ブルックスのPoloには襟の機能の由来が、ローレンのPoloにはスポーツから広がる服や生活への憧れが見えてきます。これは両者の説明をもとにした読み方であり、名前の直接的な継承を示すものではありません。

二つのPoloを知る楽しみは、どちらがどちらの名前を借りたかと決めることより、同じ競技につながる言葉が、異なる服の物語になったところにあります。売り場での接点を知りつつ、それぞれが形にしたものを眺めると、アメリカの服の広がりが見えてきます。

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